BRAVE MUSIC活動開始にあたって(山川浩正)

BRAVEMUSICとしての活動を行おうとしたきっかけ

きっかけは、この活動のパートナーであるパワーコンテンツジャパン株式会社の横須賀輝尚さんから声をかけてもらったことです。彼はもともとTHE BOOMのファンであり、バンド解散後からイベント・ライブ開催のほか、Youtubeでの活動などをサポートしてくれている人で、僕がこれからの音楽活動のひとつを考えたとき、病気や障害を持つ人のための音楽活動としてこの「BRAVEMUSIC」という選択があるのではないかと提案してくれました。

僕が音楽を始めたのは10代の頃。ただ、自分のことを認めてもらいたい。勉強では評価されなくても、音楽なら評価される。高校の学園祭などが良い例でした。友人も先生も僕のことを認めてくれる。正に「自分のための音楽」でした。

ところが、THE BOOMというバンドを結成し、音楽活動を続けていく上で大きな変化が僕にも訪れました。デビュー当初は、とにかく自分たちが評価をされるかどうかという点が最も重要だと考えていましたが、ファンからは僕の予想とは違う声が届きます。

「THE BOOMの曲を聞いて、元気になった。」「落ち込んでいたけど、頑張ろうと思った。」そんな感想が僕たちのもとに寄せられたのです。そうか、音楽はこんなにも人を励ましたり、勇気づけたりできるのか。そこから「自分のための音楽」から「聞いてくれる人のための音楽」に変わっていきます。

THE BOOMの解散直前、僕は1型糖尿病という病気を発症します。これは膵臓のインスリンを出す細胞が壊されてしまう病気で、僕はインスリン注射が欠かせない身となってしまいました。後述しますが、自分自身が病気になったこと、そしてバンド解散後にファンとは距離が近くなり、より「誰かのための音楽」という気持ちが強くなったのです。そんな折、横須賀さんからの提案がタイミング良く重なりました。

現在は、「寝たきりピアニスト」として活動している星野希望さんとコラボしたり、BRAVEMUSICとしての楽曲を製作したりして、その活動の準備を始めています。

自身が1型糖尿病という病気を抱えて、音楽活動をするということは?

やはり、最初は自分自身が音楽活動を続けられるかどうかが不安でした。そんな中でも活動を続けていくにつれ、同じ病気の人とも多く会うようになります。そして、何よりファンから寄せられた手紙などに強く励まされました。同じ病気を抱えるファンの人もいて、「山川さんの活動で1型糖尿病のことも知ってもらえるし、ぜひ頑張ってほしい。応援しています。」という声も少なからず頂きました。こうした激励を頂く中、僕は音楽活動を続けることを改めて決意します。その後、「1-GATA」という1型糖尿病患者で組んだバンドでも活動しました(現在は活動休止中)。

どんな人に、勇気を与えたい?

僕と同じ病気の人はもとより、コラボさせて頂いた星野希望さんのように事故や病気に負けずに頑張っている人やその家族、関わっている人。こういった人を勇気づけられるような音楽活動ができたら良いなと考えています。こうした活動は、僕自身も勇気をもらうことが多く、BRAVEMUSICのコンセプトである「勇気を分け合う」のは本当なのだと思うのです。

さらに、自分自身がそうなのでよくわかるのですが、病気や障害を抱えた人は意外と気丈に振る舞います。それは、心配をかけたくないからです。でも、本当は不安で孤独で、助けを求めていたりする。そういった人に少しでも勇気を与え、そして分け合えたら良いなと思っています。

音楽でできることはなにか?

音楽って、本当に想像を超えるような力があると思うんです。それはTHE BOOM時代に特に感じました。自分の奏でる音楽が、こんなにも人に影響を与え、そして勇気付けたり、笑顔にしたり。僕たちが活動した90年代や2000年代とはまた音楽シーンは違いますが、それでもなお、やはり力を持っているのだと思います。

今後も、様々なコラボや楽曲制作、ライブ訪問などを続けていくつもりです。そして、ひとりでも多くの人に聞いて頂き、そしてお互いにより良く生きることができたら良いなと考えています。

山川浩正

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事
PAGE TOP